「知らない方が覚えやすいかもしれないから、ちょうどいいよ」
と笑顔で…ってちょっと待て!覚えるってなんやねん!「おい、ちょっと待ってくれ…」
「目を閉じて。」
「おい、ちょっと!待っ…」
「この術式は針に糸を通すより繊細なコントロールが必要なの。少し黙ってて。」
とそう言い放つ彼女には先程までの笑顔はなかった。「…。」
「終わりよ。」
と彼女は再び笑顔で囁く。何も起きなかった。ただ、今まで感じたことのないエネルギーみたいなものを感じた。