「だから、本望でしょ?
私に喰べられる事くらい」


黒く染められたツメは
足のしたの其をゆっくりと

引き裂いていきました


女は満足そうに
何かから零れた液を
舌で舐め取ります


歪んだ口は
其が残らぬように
綺麗に平らげました




女は物足りなさそうに
赤い唇で言いました



「男は………

………あまり美味しくないわ


そうね



赤子を孕んだ女なんて

美味しそうね


何処かに居ないかしら?」



女は
食事を求めて歩きました



月はまだ
彼女を照らしは

しない



†道の夜い黒†