「レイ、今何処にいるの?」




『秘密』




「バカ」




『それよりオレ、ナオに言いたい事あるんだ』




「そんな事より何処いるの?」




『秘密』








そう言って







足を止めた







何処って







ナオの







すぐ後ろだよ






「お願い。教えて。私今ね…」







携帯を耳から離したのに






直接ナオの声が聞こえてくる









『誕生日、おめでとう』








そう






携帯を持っていない方の






ナオの耳へ囁きながら








ベンチ越しに






後ろからナオを抱きしめた