「…何か、色々簡単なんだなあって、切ないのかなあ…。」 あたしの応えに、梓さんは小さく笑った。 「実の父親を殺したこととか言わなくてよかったよ。」 「どうして?」 「そんなの落胆するだろ。」 確かにそうかもしれない。 あたしが梓さんであったら、そう応えられたら落胆するかもしれない。 「生きるも死ぬも、生かすも殺すも、そう難しいことじゃないんだよ。」 梓さんの言葉と共に、ビートルズがサビを歌っていた。