「まだ子供だよ。」 軽く笑んで、ガムシロップとミルクを指差す。 梓さんのアイスコーヒーは、濃いブラウンのまま。 「…入れない。」 あたしの応えに、面白そうにまた笑った。 梓さんの様になりたい。 梓さんの様に生きたい。 あたしはあたしのままだけれど、それでも背筋を伸ばして歩きたい。 捨てたものも、得たものも、失したものもあるけれど。 背負ったものもあるけれど、その重さに身を屈めたくはないから。