ピピピッピピピピッ
ピピピピッ
目覚ましがうるさく鳴り響く中
あたし天水夕真(14)
はすでに時間は8時を過ぎていることも知らずに
のんきに寝ていた。
そんなあたしに
「おーい」
と呼ぶ低い聞き慣れた男の声
「・・」
それでも起きずに寝ているあたし。
「起きろーて」
だんだんでかくなる男の声・・
「・・ぅーん」
うるさいなーとか思っていると
「いい加減に起きないとちゆーするよ」
ちゆーね
はいはい分かったから
どっか行ってよ
あたしはまだ眠いの。
何がちー・・
「ゆ!ってえぇ!?」
ガバッ!
ようよく“ちゆー”
の意味を理解したあたしは
そくざに起き上がった。
「やっと起きたか」
「つ、つばさぁ!
なななななんでまた勝手にあたしの部屋入ってきてんのよぉ!?」
「朝飯くいきた~
ついでに起こしにきてやったんだよ。感謝しな」
そう嫌みったらしく言う
風間翼(14)
あたしの幼なじみ。
家も近いからよくお互いの家に遊びに行ってた。
それに親同士も仲良い。
もう14年間も一緒だから
翼のことは誰よりもよく知ってるつもり。
ばかで意地悪で乙の部屋に勝手に入ってくるデリカシーのない奴なんだけど
いざというときはすっごい頼りになって
親や友達、周りの人を
誰よりも大切にする
やさしい人だって・・
そんなつばさにあたしは・・
「おぃっぼーっとしてないで早く支度しろよ!まぢで遅刻すんぞっ」
「わっやばっこんな時間!分かったから早く出てって!」
あたしは・・
「たくっ
あっそうだお前って・・」