あの、初めて長く桜田くんと喋った日から数日。

私はあれから、勘違いした自分が恥ずかしくて桜田の顔すらまともに見れないでいた。

だってだって!

一瞬でも“可愛い”と言われたのが自分だと勘違いしてしまって…!

痛々しいにもほどがあるし!

気のせいか桜田くんもあんまり挨拶とかをしてくれなくなった気がする…。


そんな風に落ち込んでいると。



「やっ!暗い顔だねー」

「!美月ちゃんっ」



友達の美月ちゃんがひょっこり私の前に現われた。

永谷 美月(ながたに みつき)。

私の中学校からの親友だ。



「落ち込んでるとこ悪いけどさ、次体育だよ?」

「うえっ」

「しかもアンタの嫌いなバスケ!」

「うええ~っ」



……ほんと。

どこまでも落ち込むよ…。