「あ、え…、えとっ」



恥ずかしくてごまかしたくて、何か言おうすれば桜田くんの指が私の唇に触れて、口を噤む。



「………」

「…………」



そのまま、スッとなぞられて。

緊張のあまり全身が鼓動する。

そのまま桜田くんは私の瞼をそっと撫でてきて、反射的に目を瞑れば……そのまま。



「力抜いて……愛菜ちゃん」



甘い囁きと、
唇に温もりが、
降ってきた。