「あ、これこれ。この問題」



桜田くんが指差した教科書の問題を覗き込めば自然と桜田くんとの距離が近くなる。

それが予想外で私は慌てて距離をとったけど、桜田くんは気付くことなく私を見上げた。



「…分かる?」



ってそんな上目遣いで見ないで下さいいい!



「う、うん、なんとなく…だけど」



熱い頬を冷たい手の甲で冷やしながら問題の解き方を一から説明していく。

それをふんふんと何度も頷きながら聞いた桜田くんはああ!と大きな声をあげて手を叩いた。



「で、こうなるんだ?すっげぇ!白木さんまじ賢いねー!」

「や…あの。うん、ありがと」



正直反応に困りました。

…だってこんなに堂々と褒められたこと(しかも好きな人に)ないんだもんっ…!