「まあそれも1つの手だと思うよ」

「うん…ありがと」



暗示、かあ。

そうだね、自分はできる!って思ったりしてみたら意外とできちゃったりするのかも。

よし、今度やってみよう。

気合を入れながら涙を拭っていると、今度は優しくなった美月ちゃんの声がする。



「愛菜ちゃん、ほんとは分かってたでしょ?」

「え?」

「桜田のこと。どうするべきか分かってたんじゃない?」



どうするべきか。



「…うん。ちゃんと、私の気持ち伝えなくちゃ駄目だね」

「そうだね。ついでに何が怖かったとか、何が怖いとかあるなら言っちゃえば?」

「えっ、でもそれは」

「アイツなら絶対受けとめてくれるでしょ!」



美月ちゃんが笑いながら言う。

そうだね、桜田くんは優しいから、何でも受けとめてくれちゃいそう。

…だからって、甘えてちゃ駄目だ。

私も頑張らないと。