ポツリ、ポツリと

帰り道のキスのこと
資料室でのこと

言葉に詰まりながら話していった。

なかなかスラスラとは話せなくて、苛ついていてもおかしくないのに、美月ちゃんは「うん、うん、」と相槌を打ちながら聞いてくれた。


そして。



「はあ……」



重たくため息を吐いたあと、スウッと空気を吸い込む音が聞こえたと思ったら。



「このっ…バカタレ!!!」



大きな声でそう叫ばれて、耳がキーンとした。



「み、美月ちゃん…耳がっ…」

「甘ったれたこと言ってんじゃないよ、もうっ。アンタはいつもそう!」

「え、え?」



怒られるだろうなとは思ってたけど。

ここまで怒られるとは思わなくて。

頭がパニックになりそうになるけど、頭を振って落ち着かせた。


美月ちゃんは、私のために、言ってくれてる。



「例えば…そう、バスケの時でも」