「…オッケー、したんじゃなかったの」



ぼそりと小さく。

心地よい低さのその声が、苦しげに吐き出された。



「顔、縦に振ったじゃん。頷いたじゃん」



それがいつのことを言ってるのかだなんて

明白な、こと。



「……っ期待させてんなよ……!」

「ちが、!…」



彼の言葉を止めたくて

苦しげに伏せられた瞼を見てられなくて


だけど、

なんて言えばいいのか分からなくて。


言葉につまる私に桜田くんはフッと笑った。



「ごめん、俺らしくないよね」

「………っ」

「今日1日俺のこと避けてたでしょ?思ったよりこたえちゃってさ」



ごめんなさい、と謝りたいのに。

声が出ない。