あまりにいつもどおりだから拍子抜けして、思わずぽかん。



「……へ?」

「へ?じゃなくて!」



つっこんだ桜田くんはすごく笑顔。

てかそんなに笑うほどマヌケな顔だったのかな、今の…。

あ、なんか恥ずかしい。



「だから問題!教えて?」

「も、問題…って?」

「…まさかまた授業聞いてなかったの!?」

「うっ」



だって桜田くんのことで頭がいっぱいだったから~!

なんつ言えるわけもなく、言葉につまる私に「しゃーねぇなあ」と苦笑いして、桜田くんは私の教科書を取って開いた。

そして問題を指差して、



「これ。この問題…分かる?」

「あ、うううんっ」

「ぶは、どっち?」

「わっ分かる!」



慣れない至近距離に言葉を詰まらせながら筆箱からシャーペンを取り出す。

そしてノートのすみで説明をしようとしたとき



「…俺ね」



桜田くんが少し俯きながら、口を開いた。