ふらふらとチャイムぎりぎりに教室に入るとまず美月ちゃんと目があった。

心配そうな表情に、罪悪感。

やっぱり心配させちゃったかあ…。


とりあえず美月ちゃんにはにこっと笑いかけておいて、私は席についた。


…よりによって前は桜田くんだもんなあ。



(冷たくされたらどうしよ…)



あんなの、もろにヤキモチ妬いてるみたいだったし。

あああ~気まずそうな顔されたりしたら落ち込むよ~っ


……そう思っていたのに。


数学の、問題を解く時間。



「あー分かんねっ…白木さん教えてー!」



そう言ってこちらを振り向いた桜田くんは、あまりに普通のいつもどおりの表情をしていた。