満面の笑顔で笑っている桜田くんを見てると、心が温かくなる。

そして感じるの。

ああ、好きだなあって。

胸がきゅっと締め付けられるような…そんな感覚に襲われる。

そんな気持ちが切なくて、でも心地よくて。


だから私は、想いが叶わなくてもいいと思ってる。

ずっとこのままでも…。



「あ、おはよー!白木さんっ」

「!」



元気よく挨拶をしてくれたのは、今まさに考えていた…桜田くん。

明るくて、こんな地味な私にまで挨拶をしてくれるくらいに優しくて、そんな彼だからこそみんなに好かれているんだろうな。



「…おはよう」



小さくて、震えるような私の声がはたして届いたのかは分からないけれど。

返してくれた笑顔にこの際届かなかったとしても良いと思った。


だって心はもうこんなに、満たされているのだから。