「さっきの…気にしないでね」

「え?」



気まずそうな桜田くんのカオを、思わずじっと見つめ返した。

だけど目をそらされて、仕方なく私も顔をそらす。

だけど、何故か悔しくて。



「………」



私は返事をしないまま、保健室を出て美月ちゃんの後を追った。


今日の桜田くんは

すこしオカシイよ。


いつもストレートにものを言っていて、そこもまた人気だったりするのに。

今日は何か言いたそうに見つめるばかりで…何も言ってくれない。

だからかな。


……胸が、苦しい。

イタイ。切ないよ…。


私はそっと、美月ちゃんに気付かれないように。

胸元をぎゅうっとおさえた。