Memorial address

2回目の電話が鳴ってからも
あたしたちは病院へと急いだ。

そして病院に着いたのは5時15分。
まだ面会時間じゃないし
普通なら皆寝ている時間の病院は
全く物音がしなくて
やけに静かに感じる。
不気味でいつも来ている病院とは
違っていた。

ガラッ

お母さんが病室のドアを開けた。
そこには…
布団を首までかけられている
おばぁちゃんの姿があった。
すやすやと眠っている。
なんだよ…寝てんじゃん。
誰が見たってそう思うだろう。
でもね、
手も足も顔も全部冷たいんだよ。
もうぬくもりがないんだよ。
笑った顔が見れないんだ。
怒ってほしくても怒ってくれない。
誉めてほしくても誉めてくれない。
おばぁちゃんの声が聞こえないんだ。

嫌だ…おばぁちゃん戻ってきてよ。