一方、和泉さんは とても慣れた様子で 狙いを定めて テンポよく三本を投じた。 三本のうち、 三本ともが、 ブルの外側のゾーンに刺さり、 10点、また10点 と加算されていった。 「和泉、上手でしょう? かなり通い詰めて いますからね」 宮岸さんが私に 耳打ちをした。 それから、 「和泉さん、 調子いいじゃないですか! 僕もブルに入れますよー!」 宮岸さんは、 和泉さんに向かって そう言い、 矢を手にして 席を立った。 宮岸さんの番が回ってきた。