姫のさがしもの。



和泉さんも後ろから

大きく拍手して




「予告ホームランですね。

いやぁーすごいです!」


と言った。





矢を抜いて、

席に戻ってからも




私はどうにも

興奮状態から
抜け出せないでいた。





いつまでもいつまでも


最後の矢を投じた

指先の感触を反芻しながら




心臓を高鳴らせ、


和泉さんが矢を構えるのを

ぼーっと見つめていた。