―――――そんなことを
宮岸さんの腕の中で
私は突然思い出して
ようやく、
鈍感な私も
大声を挙げた。
「あ…!
…優希かぁ・・・(笑)」
私はアハハハハと
笑った。
「…やられた」
…優希は、スパイだったんだ。
宮岸さんが送り込んだスパイ。
宮岸さんは
バレたかっという顔で
ペロリと舌を出した。
そっか、
先週、会社で珍しく
優希と宮岸さんが
コソコソと何か喋ってるな
って思ってたんだ。
私、まさか浮気…?
なんて始めは心配したりして。
でも、まさか優希が
そんなことする訳ないし。
って思って、
優希に聞いたんだ。
「さっき、宮岸さんと
何しゃべってたの?」
って。
そしたら優希、
なんか不自然で
「え…?うーん
えっとー
たまたま会ったから
お久しぶりですね
って言って
挨拶しただけだよ?」
って、答えてたけど
なんか怪しいなぁ
って思ってたんだ。
今更になって、
あの時、宮岸さんが
「姫夏の欲しいものを
探ってほしい」
なんて頼んでたことに
気づく。
ちゃっかり
優希は私の指のサイズまで
聞き出しちゃって
それで指輪は
ピッタリ私の指に
おさまったんだ…!
