姫のさがしもの。



宮岸さんの手に捕まって、
立ち上がる私。



「お散歩♪」



そう言って、私の手を
ギュッと強く握る彼。



外に出ると、
すっかり真っ暗で、

鈴虫の声が秋らしさを
演出してた。


心地よい涼しい風が
サラリと吹いてきた。



「潮の香りがするね」



彼が私の髪にキスをする。




手を繋いで夜の海辺を
お散歩。


大阪の街じゃ、
手なんて繋げないもんね。



「コンビニにいこ」



宮岸さんが、
目の前のコンビニを指さした。



「何か買うのー?」



背の高い彼の顔を
見上げながら、
私がそう聞くと



「姫夏のお祝いに乾杯する
お酒が必要でしょ?」



と言って、
サラリと
彼は私の髪を撫でた。