姫のさがしもの。



「姫夏、温泉入ろうよ」






私たちは全身で愛し合ったあと、



部屋に付いていた
小さな露天風呂に

チャポンと並んで浸かった。






「おいで」





そう言って、
私を自分の膝に座らせる彼。




暖かいお湯の中、

後ろから彼に
抱き締められながら

海をぼんやり見つめる。





…私、幸せだよ。



25歳のバースデーが、
こんなに素敵に
迎えられるなんて

想像もしてなかったよ。