い草の香りが漂う
畳の上にふたり、
ゴロンと寝ころんで
抱き合う。
宮岸さんは私の髪を撫でながら
優しく聞いてくれる。
「姫夏。疲れてないか?
苦しくなったら
すぐに言うんだよ」
…この言葉、
今日何回目だっけ?
宮岸さんは私の病気のこと、
いつも心配してくれてる。
宮岸さんといると
発作は全然出ないんだけどね。
でも、まだお薬は一日3回、
ちゃんと飲まないと
吐き気と呼吸困難が
あっという間に襲ってくるから
要注意なんだけど。
一番困るのが
会社で発作が出た時!
会社の人たちには
内緒にしてるから
正直、会社で苦しくなると
かなり焦る。
先週も一度だけ
夜に資料を作ってたら
急に苦しくなって
ちょうど営業にきてた
宮岸さんに
助けを求めて
こっそり病院に
つれていってもらったりして…。
とにかく、
宮岸さんには病気のせいで
迷惑かけっぱなしなんだ…。
楽しいことが大好きな
宮岸さんだから
こんな風にいちいち
私の病気のこと気にしてたら
楽しくないだろうなー
って
私はすごく気がかりだけど。
