姫のさがしもの。



通された部屋は
オーシャンビューで

日本海が眼下に広がる
素敵な見晴らし。


「わぁ〜っ

海、きれいだね!」


大はしゃぎで
窓際に駆け寄る私。



後ろから宮岸さんは
ニコニコと笑顔のまま

私の背中に向かって
歩いてきて

そのまま私を後ろから
ギュッと抱き締めた。





「あ、天橋立だ!

見て見て!」


そう言って窓の外を
指さす私を

さらに、幸せにする
言葉を彼はくれる。



「見えない。

姫夏しか見えない!」



そう言って私を
ヒョイッとお姫様だっこして

部屋の中央まで
連れて帰って

ストンと畳の上に
私を降ろした。



「え〜?海見たいぃ〜」


ジタバタと暴れながら
窓の方へと戻ろうとする私。


そんな私を彼は
上から押さえつけて、


「俺だけ見てたら
いいの!」



と言って
深くて甘いキスをした。


「…はぁい」



私は、急におとなしくなって
彼の言うとおりに

彼だけを見た。





「姫夏はかわいいな」



そう言って

もう一度、ご褒美のキスを
くれた。