――1週間後。
…ハッピーバースデイ、私。
誕生日がやってきた。
つまりは、
旅行当日ってことで。
今、彼は隣で運転中。
私は、地図を広げて
天橋立までナビってます。
カーナビが付いてないもんで、
私がナビ代わり。
「あ、次の交差点で
右まがったら
もう宿に到着っぽいよ!」
「おぉ〜ありがと。
かなり助かった。
ナビおつかれさん。」
宮岸さんはグイッと
ハンドルを右に切った。
すると目の前に
青い海・白い雲・
そして落ち着いた宿!
『天の宿』
そう書かれた
木造のお宿が目の前に
建っていた。
車を停めて、
玄関口を一歩入ると
綺麗な女将さんが
姿を現して
「ようこそ、おいでやす」
と、舞妓さん風の
京都訛りで、
出迎えてくれた。
