…うん、絶対嘘だよ。
そんな感じじゃ
なかったもん。
もっと冷たくて
意地悪な言い方だったよ?
『お互い遊びだろ?
楽しくやろーぜ』
って、私には
聞こえたもん!!
そんな言い訳に
騙されない!
むー…っと
ふくれっ面で
宮岸さんを凝視する私。
宮岸さんは
苦笑いを浮かべた。
「わかったよ…
わかったから
睨まないのっ(笑)
…本音を言うから。」
…ほらね。
やっぱりさっきのは
本音じゃなかったんだ。
さらに眉間に皺を
寄せながら凝視する私に
一層苦笑いしながら
彼は言う。
「俺…
嫉妬してたんだよ。
姫夏の彼氏に。」
…?
意味わかんない。
「宮岸さん
答えになってないよ」
「そう?
だからさ、
なかなか
彼氏と別れてくれないことに
嫉妬してたから
キスもつい嫉妬で
しちゃったんだ。
待つつもりだったのにな。
まぁ…我慢できなかったのは
嘘じゃないけど。
でも、罪悪感で
SEXはできなかった。
それが苦しくて…
『どうせ、姫夏は
俺のこと微妙な関係に
置いてたいんだろ?』
って意地悪を言ったんだよ。
俺、大人げ無いけどな。
ははっ…」
…え?
うそ…
嫉妬?
意地悪?
うそ・・・…そうだったんだ。
私、勘違いして
ずっと宮岸さんの気持ち疑って
それで栄太とも
別れられないとか
一人で悩んで…
何?
ばかみたいじゃん・・・。
――初めて知った
宮岸さんの本音。
…私たち、
なんだか擦れ違ってただけで
ずっとお互いを
想いあってたなんて…
