宮岸さんが
ふぅっと小さく溜息を
漏らしたのが聞こえた。
「姫夏。
俺の言葉が逆に
姫夏を苦しめてたなんてな。
ごめん…。」
そう謝ってから、
彼はゆっくりと説明し始めた。
「俺は…
姫夏が彼氏と
デートしてるとこを
見たのに
我慢できなくて
キスしちゃって
キスしたことを
後悔してたの」
「後悔…?
騙されてるって
思ってたから…?」
また涙がジワジワと
溢れてくる。
「違うよ。
俺がしたキスを、
姫夏が
『これは彼氏に対する浮気だ』
って悩んでるかなって
思ったんだよ。
悪いことをしたなって…」
…そうだったんだ。
「でも、
私が望んだことだよ!
私…宮岸さんに
キスされたかった!」
…わっ!何言ってんの
急に赤面してしまった私。
…何、恥ずかしいこと
言っちゃってるんだ、私。。。
「ありがとう。
でも姫夏は心が
グラグラ揺れただろ?
俺は卑怯なことしたと
思ったんだよ。
俺たちは仕事の取引相手。
こんな強引に振り向かせても、
俺、今の姫夏の彼氏より
姫夏を幸せに
してやれないかもしれないし」
…宮岸さんは
やっぱり時々、
私を悲しませることを言うね。
自覚あるのかなぁ?
「宮岸さんは
いっつも仕事のせいにするね。
幸せにしてやる!
とは、
絶対に
言ってくれないんだね…。」
いつの間にか
大粒の涙が
頬を幾重にも流れ伝っている。
