結局、宮岸さんには
返信しないまま

出社した。






だけど、

逃れられない気まずさが、
この関係にはある。





…宮岸さんと

嫌でも顔を突き合わさなきゃ
なんないんだもんな〜





―そう、

私たちは毎日会社で会う。


彼は広告代理店の営業マンで
私はそのクライアントで…



わかってることだけど

仕事だから避けられない。




毎日、

どんな楽しい日も
どんな辛い日も

彼は私の元に
営業しに訪ねてくるし


私は、それを断ると
仕事が滞るので

受け入れるしか
ないわけで。




それは、

彼のメールを無視した
今日のような日でも

もちろん同じ。





―午後5時。



打ち合わせの約束を
取り付けていたので

当然、彼は
私の元に現れる。



当然、逃げられない。