その私の問いかけに
彼が答えた言葉は
私にとっては
信じられない言葉だった。
「満足だよ。
だってお互い、
この微妙な関係が
楽しいんだから
これでいいんじゃない?」
…悲しくなってきた。
お互い…?
私は『微妙な関係』なんて
望んでないし!
楽しめるわけがない!
宮岸さんは
私を好きなわけじゃ
ないのかも。
こんな微妙な関係の
女性が必要なだけ。
SEXしちゃったり
恋人になっちゃったら
煩わしいことが
増えるだけだから
微妙な関係が
ちょうどいいんだ…
重荷を背負いたくないから、
適当にイチャイチャ
してたいんだね。
最後まで抱く覚悟なんて
ないんだ…。
―優希に、
この出来事を
全部話した。
「宮岸さん
わかんない人だね…」
優希は、ついに
フォローしきれなく
なったみたいで
ポロリと本音を漏らした。
「わかんないでしょ?
でも、たぶん
彼にとっては遊びなんだよ。
これも彼が大好きな
『たのしいこと』の
ひとつに過ぎなくて
私のことが
好きな訳じゃないよ」
私は、優希に
そう答えて、
飲みかけのジンバックを
一気に飲み干した。
