歩くたびに ふわふわとした感覚が 襲ってくる。 そして、 店の扉を開けてもらい 一歩外に出た瞬間、 ふいに、 足がもつれて 身体が傾いた。 ふわり。 その直後、 私のからだは何かに 支えられた。 宮岸さんが、 私を抱き抱えるように 肩と腰に両手を回して 支えていたのだ。 「すみません…!」 私は自力でまっすぐ 立ち直した。