姫のさがしもの。



私はあまりにも
高鳴り過ぎた鼓動を
聞かれないように

彼から身体を少し離した。


しかし、彼は
さらに近づいてくる。


「しんどくなったら
無理せず言ってくださいね?」


私の背中に触れて、
そんなことを
言ってくる。



もう…宮岸さんが
触れるから、
悪いんだよ〜!



―背中から彼の手のぬくもりが
伝わってくる。


みるみる内に、私の身体が
熱くなっていくのが
わかった。