「へぇ〜!
大変でしたでしょ?
ばれたら厄介ですもんね」
何気なく
そんなことを聞いた私。
「いえいえ。
取引先と恋愛なんて、
よくある話ですから
そう大変でも
ありませんでしたよ。
ばれたところで、
別に、誰に怒られる
筋合いもありませんから。
社内恋愛みたいな
もんでしょ」
和泉さんは
ニッコリとそう答えた。
…仕事相手だけど
私と宮岸さんにも
可能性があるって
和泉さんは
言いたいのかな。
考えすぎ…?
「いいですね。
営業に行くのが
楽しかったでしょう?」
「そうですね。
ほぼ毎日、
仕事で会えますから。
それが醍醐味じゃないですかね。
仕事終わりで
そのままデート…
なんてことも
多々ありましたよ。」
…仕事帰りにデートか。
宮岸さんと
そんなことできたり
するのかな?
…なんて
むりむり。
今はそんなこと
想像すらつかないや。
