タクシーが角を曲がって、

彼らが見えなくなると




突然

とんでもなく興奮した様子で

優希はこう言った。



「超っっっ

たのしかった〜!

宮岸さん…
惚れるのわかるわ〜!!」



「でも…

宮岸さん

かっこよくないし、


音痴だし…」



私は否定して
みたけれど、



「そんなことないよ!

最初はね、


なんで姫夏は
宮岸さんなんかに
惚れたんだろ?って

正直、思ってたけど…


私、今日で
彼のファンになっちゃった!


…姫夏!


私、姫夏に絶対
がんばってほしい!」



優希は宮岸さんを
気に入ってしまったらしく

完全に応援モードだ。



でも、私は今ひとつ
煮え切らない気持ちを
抱えていたんだ。