金髪の彼は
「誇りなんかなくとも、地に足はつけられるんだ……!」
剣へと更に力をこめようとしていた。
抑えつけようと体重をかけたが、ずるりとすべる。
やっぱりダメだ、せめて草のある場所に行かなければ。
重心の位置を模索し続けた。
視界に入った剣の劣化具合が、予想していたよりも激しい。
それに体力も底がみえてきている。
「刺される前に刺す。だって俺はまだ見つけてないのだから」
俺と一緒に探そうぜ、だなんて軽口、つい先ほどまでなら簡単に言えたのに。
「あんたみたく俺は誇りある生き方をしていきたい……!今は泥の道しか行けない汚い存在だが、俺は絶対!」
「……汚く、なんか、ねえだろ!」
切れ切れと呼吸をする情けない体には、そこまで余裕なんかなかった。


