騎士戦争




  *




しばらく沈黙を保っていた男だったが、納得したのかどうしたのか。


「………、ああ」


この一言からは計りがたい。


相手の目線は下にある。


じっと考えこむような空気をはらませるあたり、自分の話しがその中にあるのだろうか。


トドメを刺すのなら、今だ。


と。


『ポトン』


音がしたのは肩にある金属部分だ。


素直に周りを見れば、仲間と敵、ついでに邪魔な水滴。


(あーあ、とうとう降ってきやがったか。視界が悪くなってイライラするな)


見上げたのは、雨の発現場所、空。


小雨も嫌だが、こんな激しい雨はうんざりする。


このあたりの土にこびりついた血を洗い流すには最適だが、視界が悪くなって仕方ない。