聞いてはいる、しかし、理解まではしない状態。
ビギナーの笑みはさらに深くなった。
「神々遊び。これ即ち、命の与奪だ。人を創るのはそれを観察し、退屈しないように。人を殺すのは飽きたから次を創るため。
もっとも、ご覧の通り私は人を創るけとは出来ない。だからこそ、他人の命を強引に略奪するんだ。
最大限に“楽しい殺害方法”でね……!」
はたと視線を移せば、相手の鎌は空ではない自分をさしている。
それでもまだ、フェンは微動だにしないつもりだった。
「何の真似だ、ビギナー。私はそんなつもりなど毛頭ないが」
殺気をまとわせる。
十数年のうちに備わった勘のおかげか、腰にある2つの剣のうち、長い方を手が求めた。
「毛頭、ない?そんなに怖い顔をしてかい。それとも……もっとやる気にしてほしいのかな」
たった1つの鎌が空だけを切った。
言葉からすると部下でも切るのだろうと思ったので、なぜそうしないのかという疑問が頭に広がる。


