即席で自分の考えをまとめたものだから、なんだか自信がない。
日ごろから、戦争以外のことに頭を使って鍛えた方がいいんだろうな。
だからフェンに馬鹿よばわりされるのだ。
*
友の行ったあと、総団長はたった1人で、そこにずっといた。
正確には部下数人とだが。
動く気にはなれなかった。こうして遠目に眺めるのは嫌いじゃないし、人を待っているのだ。
あいつはもうしばらくしないと来ないな、そうため息を吐こうとしたが
「いやはや、相も変わらずだねぇ。君は」
待ち人、ではないのが来た。
顔を確認しなくとも、声を聞けば理解できる。
「……久しぶりだな。終わったのか、それとも一段落ついたのか?」
まあね、と言ってのけたのは敵の──オーディンの頂点に立つ男だった。名を、ビギナー。


