騎士戦争



ならばとロッシュはやっきになって防いだ。


俺とこの男の、違いは何だろうと考えながら、完全に防御にまわった。


打ち返す機会は必ずくる。無闇に逃げたりはしない。この金髪は、これだけの仲間を殺したのだ。野放しにするわけにはいかない。


端からみれば、金髪の男のペースだが。




攻防は、予想よりいささか長く続いた。


この男、かなり出来るとロッシュは舌を巻く。


そんな中、ようやくのオーディン方の体力切れ。


オリジン方であるロッシュにやっと、反撃が許された瞬間だった。


とりあえず、力任せに弾く。


男はそのせいでふらつき、後退した。


この隙に──、と逡巡して、止めた。


どこで止まるかと気にかかる。伺っていれば、男の足は死体にあたり……そこで、剣を向けられた。


斬りかかろうと息を吸って、また我慢する。


少し前から考えていたことを口にだした。


「──お前、結構いい腕してるな。……俺の部下にならねえ?」