これでちょうど、足場作りの時間ができた。ラッキーである。
そこで乱入者があった。
「クロス隊長っ、この!」との勇敢なセリフ。
この金髪の名前はクロスというようだ。おまけに隊長。
自分と似た立場らしい。
「よせっ!」
そういう男の制止も聞かずに切りかかってきたもんだから。
バカだなと容赦なくそいつへ、右手に移した剣を振った。
倒れたのを確認して手を戻せば、向こうも振り返ってきた。
刹那、視線は重なる。
そうして、思った。
(知っている、目…? 違う、似ているのか)
似ている、けれど決定的に違う何か。
その何かを当てる前に、相手は柄を握っていた。
「はあああぁ!」
叫ばれ、斬りかかられる。
ロッシュに反撃のチャンスがめぐってこないほど、繰り返される打ち込み。


