「隊長!このまままっすぐに行った辺りです、行って下さい!」
「…くそっ!後で迎えに来るからな!」
振り絞った声で悪態を吐いた。
激しい迷いが胸を占めたが、立ち止まることなどできなかった。
ああ言われればなおさらで、それに、こんな中では進むしか術がない。
俺がいながら。
俺の前にいたのに。
助け、られなかった。
…また、失った。
「本当に、馬鹿だ」
自分を罵倒しながら、感情を押し殺す。
やはり、フェンだけ後退させるべきだった。どこかで思う。
俺も最初から、ここにいるべきだった。
……もう嫌だ。
もう、あれだ、本気でいく。
全部全部、オーディンは。
ロッシュは、エディに言われた通り前へと斬りかかっていく。
(……あいつが言ってたヤツは、どれだ)
そう模索していくうちに、死体の山ができそうな場で立つ者を見つけた。
それがすべて仲間なのだと思うと、目の前が真っ赤に染まった。


