苦笑交じりに告げれば、予想通りの部下の反応。


だからロッシュで遊ぶのはとても楽しいと感じ、ついクセになる。仕上げとばかりにまた、彼の言葉をさえぎった。


「第一部隊隊長、もとの位置へ行け。ふざけた話しはもう止めだ。 早ければ、そろそろ見えてもいい頃」


見えてもいい、とは敵のことだろうか。総団長はさらに声を張り上げる。


「何度も言うようだが、全員、事前に伝えておいた通りに動け! そうでない者は覚悟を決めろ、私はどこぞバカほど優しくないのでな!」


さりげなく彼の目がロッシュを指した。


それに気づいたのは本人の横にいた部下の内、幹部のみである。


「あーいよ」


フェンリル総団長以外、口を開くことを許されなかったような空気を


「死ぬ気でお守りいたします、総団長」


ロッシュはいとも簡単に破ってみせた。


先刻から話していたのだが、それとは声の大きさや態度がまるで違う。