ウーメンズは政府の極秘機関であるため、基地内で事件が起こっても警察などが介入してくることはない。

ウーメンズを管轄する公安への報告をするのみで、内部のことは内部で解決しなければならない。

そもそも悪の組織と闘うのが目的の機関なのだ。本当はこういう危機に面して当然なのである。

そんなことを考えながら、部屋へと向かっていたが、その時、突然私の脳内に電気が走った。

「・・・悪の組織!」

そう呟いたと同時に私は博士の部屋へ走り出した。

私としたことがなぜ思いつかなかったんだ。

『司令官室』と書かれた部屋の前まで来て豪華な洋風の扉を叩いた。

「博士、博士いますか。ブルーです。」

返事は無い。

バスルームで愛するピンクを抱き続けた博士は、ピンクの亡骸が運ばれた後、部屋に篭って出てこないということは聞いていた。

しかし、今はそれどころでは無い。悪の組織の何者かがこの基地内に今も潜伏しているかもしれないのだ。

私は、後ろに2、3歩下がり一息吐くと、分厚いドアに蹴りを放つ。


 ドーォォォンッ ドーォォォンッ


何度か衝撃を与えてなんとかドアは開いた。平和ボケの中でもそれなりの訓練をしていた成果だ。

中に入ると、床に敷かれた赤い絨毯と同じ色のカーテンが閉まっており部屋の中は真っ暗だった。

そのまま部屋を進むと、博士のプライベートな部屋へと続くドアをノックする。