「見つかったのは、今日の朝6時。
バスルーム内で使用されているお湯が80℃を表示。そして、それが60分続いたことから管理室でアラームが鳴った。
警備員がバスルームに入って調べたところ、ピンクが倒れていたらしい」

前置きも無く説明を始めた。レッドのこういうところは好きだ。

「死因は?」

「決定的なことはわからない。だが、状況から考えて窒息死」

「なぜ」

「今から言うことは全て事実。それを理解しておいて」


レッドは前置きを言ってからピンクが発見された状況を話し始めた。

「警備員がピンクを見つけた時、ピンクは床に倒れていた。そして、ピンクは何も身に着けていない状態だった。しかし、顔には・・・顔は巨大な餃子の皮で包まれていたんだ」

「・・・なぜ」

「わからない。しかし、ピンクの顔は餃子の皮で隙間がないくらいピッチリと包まれていた。呼吸ができないくらいに」

「他には」

「アラームが鳴ったとおり、湯船には80度のお湯が注がれ続けていた。しかも、14ある全ての蛇口からね」

「なぜ、死因は窒息死だと」

「他に外傷は無かった」

「争った形跡は」

「無い。勿論ピンクが変身した形跡もね」

ピンクに変身する機会も与えず、顔を餃子の皮で包んで窒息死させた。

ピンクは今はどうあれウーメンズに選ばれた人間だ。

特別な訓練も受けている。そう簡単にやられるような人間ではない。しかし、そんなことを誰かがやったのだ。それは誰か・・・。

「いいからどけよっ!」

グリーンが大声を上げながら入って来た。そして私とレッドの顔を見て、ちょっと罰が悪そうな顔をした。私は、その場にレッドとグリーンを残し脱衣所を後にした。