「これはあくまで可能性の話でしかない。真実はそこにいるギョウザレッドが知っている」


ギョウザレッドは一瞬寂しそうな顔をしたかと思うと、再び顔に笑みをみせた。


「なかなかの名推理だ。

 さすがにクールなブルーと言ったところか。

 確かに我々メンバーは4人ともがアンニンピンク、いや須藤桃子に恋をしていたよ。

 しかし、私達も選ばれたメンバーだ。そんなことでメンバー間の仲に亀裂が入ることになんてならない。


 あの・・・色ボケ博士さえいなければな!!」


吐き捨てるように言うと、ギョウザレッドは自分ジャケットのボタンを外し


「ギョウザァァァァ、ハリケーーーーーーーーーーーーーーン!!!」


回転を始めると同時に四方に無数のギョウザの皮を飛ばし始めた。

それは凄い勢いで私達の身体に張り付くと、その勢いで周りの家具や壁にも張り付き身動きがとれなくなっていった。

レッドだけがシーツを使ってかろうじで避けている。

グリーンは身動きができないながらも入り口付近のナースコールを押した。すぐに担当者が出て、緊急事態であることを告げると基地内にサイレンが鳴り響いた。

「さすがに秘密基地というだけはあるな。あの時の反省は生かされているということか」

ギョウザレッドは回転を止め呟くと、


「また、会おうウーメンズ」


特殊ガラス製の窓を難なく破って外へ飛び出した。

しかし、外は断崖絶壁。下は漆黒の海。


レッドはすぐに窓から身を乗り出し、外を確認したが、そこには、餃子の皮をグライダーのようにして夜空に消えて行くギョウザレッドの姿があった。