深夜。

医療病棟の中にある治療室。

医療機器と豪華な家具に囲まれたその部屋も、闇に包まれていた。

窓側に置かれたベッドからは規則正しい寝息が聞こえる。


と、天井から影が降りてきた。

物音は何一つしない。そこに影があるのかも疑うほどだ。


影はしばらく床付近で固まっていたが、ゆっくりとベッドの方へ近づいていく。


そして、ベッドにゆっくりと影が覆いかぶさろうとした時、



「そこまでよ」




部屋の電気が一斉についた。