「ねぇ、どこ行ってんの?」
窓の外から
運転席のお母さんに
視線をずらして聞く。
「雑貨屋さん〜
買い物して帰ろうよ」
娘が落ちたってゆうのに
なんでこんな上機嫌なんだ。
まぁ、いいけどさ〜
って、
あたしがまったく
落ち込んでないからか。
くすっと笑って会話を続ける。
「いいよっ
てゆーか直人も落ちたって〜」
お母さんは
「あら」と言って笑った。
「直くんも?
あんた達また一緒ね〜」
「くされ縁だよ、もう」
「いいじゃない、
あんた直くんと仲いいんだから」
「仲いい〜?
あれと?冗談じゃない」
「仲よしのくせに〜」
そうこうしているうちに
車は駐車場に止まった。
「はい、おりたおりた!」
さっさとおりて
店にむかうお母さんに
続いてあたしもおりる。

