「おい!」




お兄ちゃんはみるみるうちにあたしとの距離を縮めてあたしの腕をつかんだ




「待てって!」




「いや!」




あたしは捕まれた腕を必死にとろうとしたけど、男の人の力に勝てるわけもなく徐々に暴れるのをやめた




「…どうしてよ…どうして追いかけてくるの…? 人が…人が…せっかく諦めようとしてるのに…なんで…?」




あたしは目に涙をためて顔を俯かせながらそう言った




「…」




「…いか…で…行かないで…結婚…なん…て…しないで…」




「あたし以外の人…好きにならないで…」



そう言い終わるとあたしはお兄ちゃんに抱き締めらた