大嫌いだったお兄ちゃん

まさか…こんなところで翠に会うとはな~




「陸…ほんとに会えて嬉しい…」




「あ…あぁ…そうだな…俺も嬉しいよ」




翠は笑いながら話かけてきたから俺も笑いかけた




「…へ…へぇ!翠とお兄ちゃんって…知り合いだったんだ!」




翠の後ろから顔を出した礼は笑いながらそう言った




ん…?…礼…?




「じゃ…せっかく会えたんだから今日は二人で帰りなよ!」




は…?…こいつ…なに言ってんだ…?




「じゃ!あたしは帰るね!翠!また明日ね!」




礼はそう言うと鞄を持って教室から出て行った




は…?…ふざけんなよ…!




「じゃ…陸…かえ…」




「ごめん!翠…俺…礼と帰るわ…ごめんな!」




俺は翠の言葉を遮って礼の後を追った




あいつ…なに考えてんだよ…