大嫌いだったお兄ちゃん

「礼、帰るぞ」




「あ!お兄ちゃ…」




ガタ




あたしの言葉は後ろから鳴った大きな音で遮られてあたしは後ろを向いた




「…り…く…?」




「…ん?…翠…?」




「陸!」




翠はそう言うとお兄ちゃんに勢いよく抱きついた




へ…?まさか…翠の…好きな人って…お…お兄ちゃん…?




あたしはその光景をただ呆然と見ることしかできなかった