畳で、窓には鉄格子、
ドアは鉄製で外からしか開かない
監視用の小さな窓と
食べ物を載せたお盆を
独房内に入れるための小さな
扉があった。

初めて入った。



そしていきなり看守が
小さな窓から
箱を房内に入れた。
その中には
洗濯バサミのパーツが
たくさん入っていた。

これを組み立てろというのだ。

んなことやってられるか!
とちゃぶ台返しをしようと
思ったが、肝心の
ちゃぶ台がここにはない。
諦めて天井を見る…。

…暇つぶしにやろ。

細かい作業には慣れていたので
すぐに出来上がっていく。

丸くてかたい針金の切れ目に
洗濯バサミのパーツ両方を
押し入れるのだ。

最初は看守が度々見に来たが
まじめに働く自分の姿を見て
更正する気なんだなと思ってくれたのか
来なくなった。